もっとユニークなサービスを。LCCの未来を語る
香港エクスプレス代表 アンドリュー・コーエンさん

もっとユニークなサービスを。LCCの未来を語る香港エクスプレス代表 アンドリュー・コーエンさん

2015年9月、香港を拠点にしている格安航空会社(LCC)の香港エクスプレスが中部国際空港(セントレア)~香港線の就航1周年を迎えました。各国で航空ビジネスを学び、様々なLCC関連会社の立ち上げに関わってきたコーエンさん。今回は日本人の奥さまを持ち、親日家でもあるコーエンさんに、航空業界の未来と日本の「いいね!」について語っていただきました。

coen_media

「10代の頃から、国際的なキャリアを身に付けたい。多くの国を訪れて、色々な人たちと会い、様々な文化を経験したい。そんな風に考えていました。ですからブリティシュ・エアウェイズ(British Airways:ヨーロッパで第3位の規模を誇るイギリスの航空会社)への就職を決めたんです。そこでの10年間は航空ビジネスを学ぶだけでなく、うち5年はアメリカ、カナダ、それからカリブ海の国々や南アフリカの国々に滞在して、様々な経験を積みました。とにかく世界を股にかけるような大きな仕事をしてみたいと思っていましたから、このような道を選びました。」

coen_desk

ブリティシュ・エアウェイズに勤めている間、LCCブリティシュ・エアウェイズの最初の会社であるゴー(Go fly)という会社の経営責任者(CFO)になったことがコーエンさんの転機となった。

「私が就任している間に、ゴーはイージージェット(easy jet)という会社と合併したので、その手伝いをしました。以来LCCのスタートアップに携わるようになったんです。みなさんご存知のピーチエアライン(Peach Aviation)は5番目に携わった会社、香港エクスプレスは7番目。だから私はLCC立ち上げに携わる専門家になったということですかね。

ではそんな私が考えるLCCの未来とは……ということですが、私が未来のことがわかる人間だったら、もっとお金持ちになっていると思いますよ(笑)正直未来のことはわかりませんが、今後LCCは差別化をしていかないといけないと思っています。例えばホテルでもファイブスター、スリースターがあったり、車でもレクサスを買う人もいればBMWを買う人もいますよね。このようにすべての産業にいろいろな客層があると思うのですが、航空業界も同じです。ですから私たちは客層に合わせたサービスを展開して、お客様の要求を満たす必要があるんです。

ただ航空業界はとても規制の厳しい業界です。現在LCCは短距離飛行がメインになっていますが、先々にはもう少し長い距離を飛べるようになるのではないかと思います。特にアジアの地域ですね。多くの人が旅行をしたいと思っている、しかし収入が限られている。ですからそのような客層のためにも、もっとサービスを差別化して、より安く、長短様々な距離を導入できるようになっていければいいのではないかと思っています。」

coen_looking_plane

例えばホテル業界が星の数で差別化され、それぞれの層にユニークな点やセールスポイントがあるように、今後LCC業界も様々なサービスを展開して各社セールスポイントを持つことが重要だとコーエンさんは言います。

「LCCにもコンコルドのような超音速の飛行機が出てきて、ロンドン-オーストラリア間が2時間で行けるような時代になるかもしれませんよ。」

hk_express_everyone

2020年までに訪日外国人旅行者数2,000万人を目指している日本政府。喜ばしいことに、現時点で香港からの訪日旅客数は100万人を余裕で突破。香港エクスプレスは航空業界において如何なくその実力を発揮しています。

「今後も香港から日本に年間100万人の乗客を運ぶことで、日本政府に貢献したいと考えています。香港の人口は約700万人。もっと大きなビジネスが生まれると思いますので、日本において今ある場所に加えてさらに5か所の地域に就航したいと思っています。ただ香港の空港ではスロット数(発着枠)が限られておりまして、いろんな航空会社がそのスロット数を獲得しようと競い合っているのです。ですから日本が香港の空港でスロット数を獲得できるように、香港の政府を説得していきたいと思っています。日本は香港の人にとても人気の高い観光地ですので」

hk_express_cake

ビジネスマンとして大きな成功を収めているコーエンさんですが、そんな彼が思う日本の「いいね!」は意外なところにありました。

「好きなところは、多摩川、下丸子、鵜の木、居酒屋……そう居酒屋がいいですね!私には日本人の妻がいるのですが、彼女が居酒屋のオーナーをしているんです。男女問わずリラックスできる雰囲気がいいですね。あとシンプルだし、いろいろな料理が楽しめるので大好きです。実は妻との出会いも居酒屋なんです。ピーチ(Peach Aviation)で働いているときにトレーニングセンターが下丸子だったのですが、そこにあった居酒屋が奥さんの居酒屋だったんですよ。妻が日本での食べ方だとか文化を教えてくれるんです。でも日本語はダメなんですよね(笑)」

hk_express_handshake

短い時間の中でもにこやかに応じてくれたコーエンさん。LCC業界にどのようなサービスが展開されるのか、今後に期待が高まります。

香港エクスプレス最高経営責任者(CEO)。1989年にイギリスの航空会社に入社。在籍中にアメリカマーケティング部門、LCCのプランニングディレクターなどを経験。その後、中東、ベトナム、フィリピン、クウェートなどのLCCに管理職として勤務。近年では、ピーチエアライン(Peach Aviation)の立ち上げなどに関わる。

取材・文/小田実 松田然 撮影/小松正樹 取材協力/インフィニティ・コミュニケーションズ株式会社

URL :
TRACKBACK URL :

メッセージはこちら

*
* (公開されません)
*