“和の心をもつ薔薇”へのこだわり
ローズファームケイジ 國枝健一さん

“和の心をもつ薔薇”へのこだわりローズファームケイジ 國枝健一さん

 

雅、つきよみ、美咲、いろは。実はこれ、すべてばらの名前。滋賀県守山市で薔薇の生産・販売を行うROSE FARM KEIJI(ローズファームケイジ)を経営するばら作家國枝啓司さんと國枝健一さん親子が、共に開発した『和ばら』の品種名です。

ばらの産地と言えば、フランス、ブルガリアなど、まず海外が思い浮かびますが、実は日本も世界的に知られる有名な産地。古くは万葉集に歌われるなど、ばらと日本は古くから関わりがありました。

現在、日本では花の輸出を経済施策に取り入れるなど、育成や品種改良が盛ん。ローズファームでは、切り花用39品種、園芸用14品種の育成に取り組んでいます。

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「こだわってきたのは、和の心を持つばら。周囲と調和しながら、また自分も引き立つ美しさ。
日本文化が持つ、芯の強さを持ち合わせた繊細さ、雰囲気、奥ゆかしさを表現したいと頑張っています。
父が祖父の農園を継ぎ、育成を始めてから約40年。僕は2003年から手伝っています。
ばらは新種の開発がとても難しく、『和ばら』への挑戦は、何度も決意を新たにしてこなければなりませんでした。」

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通常ばらの育成は、鮮やかなばら色をつくるため、養分を強めに調整することが主流。
しかし、國枝さんは “自然なままの土”にこだわります。
牛糞などの有機物を土に混ぜ、微生物を活性化。微生物が出す炭酸ガスとたっぷりの陽の光を浴びる環境を与えます。
土にカビが生えても放っておくという自然流。

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ばらの生命力から生まれる美しさを大切にしています。そのため、國枝さんの育てる薔薇は、和の情緒を感じさせる、優雅でやさしい色合いをしているのです。

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努力を重ね、数々のオリジナル品種の『和ばら』を完成させた國枝さん。今では、取り扱う品種すべてが和をテーマにしたオリジナルだそうです。
種を撒けば必ず発芽するとは限らない。また、発芽しても花を咲かせないこともある。理想のばらを咲かせることは苦難の連続です。國枝さんを支えたのは、ばらへの愛情、そして、もっと世界に日本のばらを広めたいという強い意志でした。

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学生の頃は、プロサッカー選手を目指していた國枝さん。海外留学もしていました。その経験が、日本のばらを世界に発信したいという気持ちに繋がっているのだそうです。現在は、南米やヨーロッパへも販路を広げ、現地で育成指導を行うなど積極的に『和ばら』の世界進出に取り組んでいます。

國枝啓司さん(左)、國枝健一さん(右)

國枝啓司さん(左)、國枝健一さん(右)

「日本のばらは、世界のどの国を見てもない、とても風情のあるもの。その魅力は受け入れられつつあります。僕達は世界に発信する『和ばら』のブランディングをお手伝いしていきたいのです」

祖父のばらへの愛が父に受け継がれ、さらに息子へと伝えられた『和ばら』への情熱。その想いは、そう遠くない将来、世界に咲き誇ることでしょう。

文/有馬敏浩 撮影/小松正樹 写真提供/ローズファームケイジ

1981年6月10日生まれ
50年に渡り続く、切り花用ばら農家に生まれ、幼少より自然とバラに囲まれた生活を送る。しかし家業を継ぐ意志はなく、高校より親元を離れ生活。学生時にドイツ留学を約2年行うも一切花に関わらずに過ごす。帰国後就職し、半年間東京で一般企業に勤めるも、退職。自分の企業を立ち上げたいと志し、家業のばらを継ぐことを決意する。2006年より父が経営するばら園「Rose Farm KEIJI」に就農。父が生み出すオリジナルローズを「和ばら」(商標取得済)と銘打ち、2品種からスタートしたオリジナルローズを現在46品種まで拡げる。品種だけでなく花一輪一輪の背景を大切にし、名前を和名にし、またそれぞれのコンセプトを明記している。化学肥料を使わない植物の本来持つ姿を引き出す栽培に着手。約5年をかけ、慣行農法から全て昔ながらの土耕栽培にシフトさせた。花に対する茎・葉の比率を大切にし、飾ることで生活が豊かになる花をめざし『「世界で一番幸せになるばら」を育てる』を農園理念に掲げ、それを体験してもらうべく、農園ツアーや、全国でのイベントを精力的に行う。昨年より海外事業に着手。洋花としての「バラ」ではなく、調和を全面に出した日本的美意識を反映した「和ばら」の世界観を広めるべく活動を行う。

ローズファームケイジ http://www.rosefarm-keiji.net

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