「ビジネス×アート×まちおこし」下田市活性化プロジェクト
『ARTment Business Contest Tour in SHIMODA』

「ビジネス×アート×まちおこし」下田市活性化プロジェクト 『ARTment Business Contest Tour in SHIMODA』

江戸末期黒船が来航し、 “日本開国の地”となった下田に現代の志士たちが集い、「ビジネス×アート×まちおこし」のコンテスト「ARTment Business Contest Tour in SHIMODA」が行われました。参加したのは首都圏の20代〜30代の学生、社会人、アーティスト……バラエティーに富んだ顔ぶれの総勢約30名。コンテストテーマは「ビジネス×アートで下田市を活性化せよ!」。当日現地視察を行い3時間後には市長、市民の前でプレゼンテーションという過酷なコンテストです。

主催のARTmentは2014年に石崎弘典(いしざき・ひろのり)さんとピアニストの碓井俊樹(うすい・としき)さんのお二人がコア・ファウンダーとして立ち上げ、アートとビジネスの最善の関係を構築することを目標とする組織。石崎さんは設立当時の思いを次のように語ってくれました。

「例えば、何百万、何千万かけて教育されて芸大に入っても、社会における知識がないこと、また変なプライドがある場合はなおさら型にはまってしまい、その多大なる才能が世の中で発揮されない。一方で、日本は一流ビジネスマンや政治家が芸術・文化を理解しておらず、創造性が求められる社会でアート的素養が生かされていない。これらは言ってしまえば社会的にとんでもない損失だという話をし、様々なやり方でビジネスとアート、社会と芸術を繋いでいくことを目指して生まれたのがARTmentです」

Artment代表石崎弘典さん

Artment代表石崎弘典さん

「ARTment Business Contest Tour in SHIMODA」東京出発の朝、地震が発生したにもかかわらず大きな混乱はなく、3台のワゴンは一路下田へ。参加メンバーのほとんどが初対面のため、車内での自己紹介、休憩所での車両乗り換え等で下田到着までに多くの方とのふれあいがセッティングされました。「自分が下田を変える!」そんなはやる気持ちを抑え、最後の休憩地「道の駅 天城越え」名物「わさびソフトクリーム」でアイスブレイク。

「道の駅 天城越え」でわさびソフトクリームに舌鼓

「道の駅 天城越え」でわさびソフトクリームに舌鼓

一行は下田に到着すると、まずはプレゼン会場である下田小学校跡である下田文化会館へ。ここでは、「いいね!JAPAN」編集長小田実(おだ・みのる)から地域おこし10事例の発表と、ARTment代表石崎弘典(いしざき・ひろのり)さんによる今回の趣旨のプレゼンテーションが行われました。

コンテスト会場下田文化会館(下田小学校跡)

コンテスト会場下田文化会館(下田小学校跡)

いいね!JAPAN小田編集長によるプレゼンテーション

いいね!JAPAN小田編集長によるプレゼンテーション

ARTment代表石崎さんによるプレゼンテーション

ARTment代表石崎さんによるプレゼンテーション

二人のプレゼンテーションの後、一行は5チームに分かれ下田市街にリサーチへ。プレゼンまでのタイムリミットはわずか3時間。到着間もないメンバー全員で向かったのはペリー銅像前。ここでは、地域ボランティアガイドの方から基礎知識となる下田の歴史や史跡を丁寧にご説明いただきました。

人気のフォトスポット「ペリー艦隊来航記念碑」

人気のフォトスポット「ペリー艦隊来航記念碑」

下田ボランティアガイド協会から派遣されるガイドさん

下田ボランティアガイド協会から派遣されるガイドさん

ガイドさんの名調子に引き込まれ、下田の歴史を学んだ後は、5つのグループに分かれて下田をリサーチ。プレゼンに向けた情報収集が行われました。中でも注目を集めたのはレトロな雰囲気が漂う「ペリーロード」。

柳の緑と時代を感じる橋の欄干がマッチし、なんともいえない佇まい

柳の緑と時代を感じる橋の欄干がマッチし、なんともいえない佇まい

橋のむこうには下田の特徴的な工法である“なまこ壁”が見える

橋のむこうには下田の特徴的な工法である“なまこ壁”が見える

リサーチを終えた5グループは下田文化会館に戻り、チームに分かれそれぞれブレストを行い、その場で企画書を作成。プレゼンに向けて準備万端!

プレゼン時間が迫る中、ぎりぎりまで真剣にブレストするメンバー。

プレゼン時間が迫る中、ぎりぎりまで真剣にブレストするメンバー。

プレゼンの前にARTment代表石崎さんのパートナーであり、世界で活躍するピアニスト碓井俊樹さんのピアノ演奏が行われました。曲目はこのシチュエーションにぴったりなショパンの「革命」。いよいよ“下田革命”の幕開けです!

プレゼンメンバーに演奏で熱きエールを送るピアニスト碓井さん。

プレゼンメンバーに演奏で熱きエールを送るピアニスト碓井さん。

トップバッター1班は、“下田を星空保護区へ”という提案。8月に約95万人も訪れる観光客も12月は約9万7千人と極端に減少するところに着目。冬に星を見に来る観光客を増やし、空き家の宿泊活用も促進するアイデアをプレゼン。

1班のプレゼンテーション

1班のプレゼンテーション

2班は、学生を日本と海外から招き、『教育の場』としての価値を創り上げるというもの。下田を伊豆急の終点ではなく、東京駅までの始点という立場に変えることをアピール。

3班はキャッチコピー“時を隠す下田”が印象的な企画。時間を忘れさせてくれる下田で過ごす新しい時間の過ごし方がコンセプト。時を忘れアート活動に没頭できるような施設や環境を提供する仕組みづくりを提案。

3班のプレゼンテーション

3班のプレゼンテーション

4班は下田湾で黒船プロジェクションマッピングを敢行。スペクタクルな演出で下田を盛り上げる壮大な企画。

5班は“下田たまてばこ”のコンセプトのもと、若手建築家に向けた市街地リノベーションコンテストを行い、外見は似たような建物だが中に入ってみると様々な体験・知見を得ることができる“たまてばこ的楽しみ”が得られるペリーロードの広域化。

5班のプレゼンテーション

5班のプレゼンテーション

下田市民の皆さまからも積極的な質問が飛び交う

下田市民の皆さまからも積極的な質問が飛び交う

すべてのプレゼンテーションが終了し、楠山俊介市長、いいね!JAPAN編集長小田、ARTment代表石崎さん、碓井さんで協議の上「下田市長賞」には3班の“時を隠す下田”、「ARTment大賞」には5班の“下田たまてばこ”が選出されました。

プレゼン終了時に各プレゼンターに感想を伝える、楠山俊介市長、いいね!JAPAN編集長小田

プレゼン終了時に各プレゼンターに感想を伝える、楠山俊介市長、いいね!JAPAN編集長小田

市長特別賞は3班「時を隠す下田」

市長特別賞は3班「時を隠す下田」

Artment大賞は5班「下田たまてばこ」

Artment大賞は5班「下田たまてばこ」

下田でのイベントを終え、後日都内で石崎代表にインタビューしたところ、次のように語ってくれました。

「今回は、良い意味での手応えと課題がありました。下田を訪れた30人が全員満足して帰ってくださった事はとても嬉しかったですし、下田市の方も勉強になったと喜んでくれたので、そこの満足度は保証できたのかなと。プラス、下田に行くことで多少お金も落ちていきますし、それぞれがSNSで拡散するとプロモーションになりますので、少なくとも貢献できたとは思っています。でも、出てきたアイデアがあるとしても、これからどうやっていくんだというところがものすごく難しいですね。ARTmentのイベントの参加者自体があのプランをやろう!となったら面白いですし、下田市も現地でそれに対してきちんと反応してくれることを期待しています」(ARTment代表石崎弘典さん)

アートでまちおこしは、各地にたくさんの事例がありますが「ビジネス×アート×まちおこし」は新しい切り口。今後各地でのARTmentの活躍に期待が膨らみます。

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参加メンバー全員いいね!ポーズで記念撮影
取材・文/小田実 撮影/河谷俊輔

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