地方、そして世界に向けて。
1000万人が利用する「新しい働き方」のプラットフォームへ!
いいね!JAPAN編集長 小田実 × ランサーズ株式会社代表取締役社長 秋好陽介

地方、そして世界に向けて。1000万人が利用する「新しい働き方」のプラットフォームへ!いいね!JAPAN編集長 小田実 × ランサーズ株式会社代表取締役社長 秋好陽介

いいね!JAPAN編集長の小田と、いま地方創生への貢献が注目を浴びているランサーズ株式会社(LANCERS,INC.)代表取締役社長 秋好陽介さんの対談をご紹介します。

小田 本日はよろしくお願いします。まず、はじめにランサーズ立ち上げまでの経緯を教えてください。

秋好 昔、私自身がフリーランスとして働いていて、関西にいながら東京のクライアントと仕事をしていました。その時は、クライアントと会わなくてもメールだけで仕事ができたので、実際の体験として、それが凄く働きやすかったのです。その時に、これは“未来の働き方”だなと思いました。

他にも、会社勤めをしていた時もあるのですが、企業の仕組みで稟議があるじゃないですか?発注をする時に、ここはOK、あっちはダメとか。そこの仕組みを打破すれば、僕みたいな働き方ができると思っていました。だから、その先10年、20年かかるか分かりませんでしたが、ランサーズのようなサービスが必要になると信じていました。

小田 その中でランサーズを立ち上げ一番ご苦労なさった点は?

秋好 苦労した点では、クライアントの依頼数の壁が大きかったですね。ランサーズのサービスを提供しはじめた2008年当時は、オンラインで働けるサービスがありませんでした。

個人は登録するだけで敷居は低いので、ユーザー数は2000〜3000と順調に伸びていきましたが、クライアントは大事な案件をインターネットという顔が見えない場で人に発注するというところに壁があり……なかなか依頼数は増えていきませんでしたね。その壁を越えるのが大変でした。

そのため、はじめは先進的な考えを持った中小企業やベンチャーの社長が、月に10件ぐらい使われる程度でした。

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小田 依頼数という壁はかなり大きかったんですね。ちなみに、その壁を突破する打開策とかはあったのでしょうか?

秋好 はじめは何でも発注できるプラットフォームでやっていましたが、壁を乗り越えるためにジャンルを特化したのです。

例えば、ロゴの提案をたくさんもらえるサイトですというマーケティングを行い、マッチング効率を上げることを突破口にしました。それによって、月に100件くらいの依頼が集まるようになってきました。その後は、ロゴを依頼していただいたクライアントをもとに、イラスト、Web制作やライティングなど、幅を広げていくことができたのです。

小田 はじめの入口をせまくして、御社は信頼を得ていったんですね。今のランサーズさんのサービスの強みで、他社にないものはありますか?

秋吉 現在はクラウドソーシングで培った多くの個人の能力や、仕事のデータベースを利用して、企業向けにコンサルティングをしています。我々はデジタルマーケティングのビッグデータを持っているので、単純にモノづくりだけでなく、効果測定もすることができます。そのうえで、企業のバリューチェーンを見させてもらい、クラウドソーシングの仕組みが活用できる仕事を提案しています。

例えば、バズらせたいと思った記事に、最適なランサーさんをマッチングさせることができます。バズる記事を書けるかは人に依存をするので、我々が持っている大量のマーケティングデータを使って、依頼された記事に合うランサーさんに仕事を依頼します。そのようにしてクラウドソーシングで培ったデータを元に、ビジネスを拡大しているところ所です。

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小田 事業を進めていく中で課題はありますか?

秋好 大きな課題としては、今よりもランサーズのサービスを広く浸透させていくことだと思っています。最近の“イケてる”会社というのは、外部のパートナーを上手く使ったりしています。限定社員ということで、週に2、3日だけ来てもらうような形ですね。

例えば、私の知り合いで優秀な主婦がいます。某コンサル会社で働いていて、その後はベンチャーに行って人事部門の立ち上げをして役員にまで登り詰めた人です。けれど今は、お子さんが産まれたから週3日だけ手伝ってくれています。そういった優秀な方とパートナーシップを結んでいく会社が、これから残っていくと思います。

間違いなく日本の人口が減っていく中で、正社員だけで会社をまわすのが難しい状況になっていくはず。クラウドソーシングだから、派遣だから、正社員だからではなく、そこを含めてチームとして、どうやって結果を残すかが重要になっていくと思います。

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小田 今までは特別なプロジェクトで作るチームであったものが、普通の仕事をチームでやっていく時代が来そうですね!

御社が提供する働き方の新しいカタチは、地方創生のソリューションとしても注目されていますが、その上で使命や役割など、どのようにお考えですか?

秋好 我々ランサーズがやっていることは、まさに東京の仕事を地方へデリバリーしていることです。インターネットやオンデマンドで働くことができれば、地域のお母さんでも働くことがきます。サービスを拡大していけば、最終的には生産力が上がり、GDPも上がることで貢献ができると思っています。

ランサーズはベンチャーの力で地域を元気にする「地方創世ベンチャー連合」という団体にも属しています。本社を移転して箱モノを作る、地域を盛り上げるやり方は古い考えだと思います。地域が今持っている資産を、ITを使って地方創世することに力を入れています。ITを使うのが得意なのがベンチャー企業ですし、自治体とも相性がいいんですよ。言うだけでなく、実際にやる。

この前も、横須賀の猿島をSPACE MARKETというサービスを利用して、100万円で貸し出すプロジェクトを行いました。横須賀市民の方にクラウドソーシングを知ってもらいながら、同時に雇用を生む活動もしています。

小田 なんだかテレビ番組みたいですね(笑)

秋好 横須賀でも面白い事例があります。YRP(横須賀リサーチパーク)という施設があって、ベンチャー企業向けに施設を無料で貸し出す、ということだけではなく、その期間中の昼食代が無料というものがありました。応募が2日間でいっぱいになった人気の企画です。横須賀からすれば、1度来てもらえればファンになってくれるという自信があったのだと思います。コアなファンがついてくれれば情報が拡散される。凄い人が「ITの聖地だ!」と言えば、そのようになる。結局、人が大事なんですよね。

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小田 面白い話が聞けました。地方創世という「いいね!JAPAN」がやろうとしていることと相性が良い気がします。

ところで、秋好社長が日本のいいね!を感じる時はどんな時ですか?温泉に入っている時とかですかね(笑)

秋好 誰もが思っていることかもしれませんが、ご飯が美味しいなと思います。白いご飯のことだけではなく、全ての食事ですね。他にも、人が親切ですし、綺麗でディテールにもこだわりますよね。

例えば、ガラス張りの窓際にあるエアコンの裏とか見せないじゃないですか?こだわり過ぎかもしれませんが、そういったことの積み重ねが日本の美しさを生んでいると思います。その結果、職人さんがリスペクトされて、良いものが作られて、さらに良いものが生まれるという、良いサイクルが日本にはあります。

あとは歴史ですね。日本にいると分からないのですが、海外に行くと歴史を指摘されることがあります。「日本て◯◯だよね?」とか言われる背景は、2000年以上続く歴史があるからだと思います。海外では日本人というだけで待遇が良いですし、日本を好き!と言ってくれる人が多い。それは過去の日本人に感謝しなければならいと思っています。

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小田 先ほどの質問の延長線上にはなりますが、秋好社長が考える理想の日本像を教えてください。働き方とか文化を含めてお願いします。

秋好 これからの課題を解決してくことで理想の日本になっていく気がします。歴史を振り返ると、日本はどこかの国を見習って成長してきました。1000年前だと中国、鎖国した後は欧米に追いつけ追い越せ。いつのまにか先進国になりました。そんな大国である国で、1億2000万人近くいる人口が、5000万に減るかもしれないというのは、世界的に見てもはじめてのことだと思います。そこではじめて誰かの真似をするのではなく、イノベイティブして解決していかなければなりません。

しかし、今は全体的に危機感が足りないとも思っています。2050年には労働人口が2000万人ぐらいに減り、GDPが3分の2になることが予想されています。その数値でいったら、今の生活は維持できないですよね?1ヶ月の給与が30万円であれば、単純に20万円で生活をしなければならない。そんな大きな問題を日本が背負うのに、当の日本人は危機感が足りていないと感じます。みんながもっとイノベイティブになり、課題を解決することが理想ですね。

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小田 御社がそれをバックアップしている形だと感じます。この先の話で言うと、今はどこに行っても2020年がキーワードとして出てきます。秋好社長はどのようにお考えですか?

秋好 ランサーズの視点でも2020年は大事な年ですし、その時期までにはランサーズのサービスを1000万人が働くプラットフォームにしたいと思っています。東京オリンピックがあるという目標は国としても良いことですし、そこに向けて動いている感じはあります。そういった大きなイベントが免罪符となることで、UBERやAirbnbなどのサービスの受け入れや、他にもチャレンジしやすい環境が整いつつあることは間違いないと思います。

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小田 2020年に東京オリンピックがあることで、注目されたり、再発見されることが今後も増えていきそうですね。これからの御社の目標や新しい分野へのチャレンジなどがありましたら教えてください。

秋好 グローバル化、とくにアジアを考えています。日本の認知度は日増しに高くなっているタイミングです。それに合わせて前年度、フィリピンに子会社を設立しました。グローバル企業ではなくても、グローバルに仕事ができるプラットフォームが作れれば嬉しいですね。アジアをひとつのローカルと考えたいと思っています。

小田 日本の地方創生にとどまらずアジア創生ですね!今後のさらなるご活躍楽しみにしております。

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Profile

秋好陽介(あきよし・ようすけ)

1981年大阪府生まれ。大学時代、インターネットビジネスを起こしたのち、2005年にニフティ株式会社に入社。インターネットサービスの企画、開発を担当する。この間、個人事業主と企業のマッチングサービスを発案し、2008年4月リート(現・ランサーズ)を創業。同年12月から日本初のクラウドソーシングサービス『Lancers(ランサーズ)』の提供を開始。同サービスはクラウドソーシング事業の国内パイオニアであるとともに国内最大規模を誇る。好きな場所に住み、好きな時間に働ける「時間と場所にとらわれない新しい働き方」の創出を行う。

構成・文/松田然 撮影/Aaru Takahashi

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